不正咬合(上顎前突・出っ歯) h2
🦷 不正咬合(上顎前突・出っ歯)
上顎前突とは、上の歯が下の歯よりも前に出過ぎた状態のこと。大きく分類すると、上の歯の傾斜によって出っ歯になっている場合(歯性の上顎前突)と、下顎に比べ上顎全体が大きく、上顎の歯茎と歯が前方に突き出ている場合(骨格性の上顎前突)があります。
上の歯の傾斜によって出っ歯になっている「歯性の上顎前突」は、幼少期の指しゃぶりや舌で前歯を押すクセなどが原因となって起こります。継続的に力がかかることで、前歯が傾いてきてしまうのです。また、成長期に鼻や喉の病気で鼻呼吸ができず口呼吸をしていると、歯が前に出てきてしまうことがあります。これは、口呼吸のクセによって唇の筋肉に締まりがなくなってしまうためです。一方、「骨格性の上顎前突」は、遺伝的な要因が大きいとされています。両親の上顎全体が大きい場合、また下顎が上顎に比べて小さい場合などは、その子供が出っ歯になりやすい傾向にあるようです。
不正咬合の大きなデメリットに「見た目の悪さ」があり、上顎前突も横顔のバランスが悪かったり、笑ったときに歯茎が目立ったりするため、それがコンプレックスになってしまう方も少なくありません。また、以下のように外見以外にも・唇が閉じにくく、口呼吸になりがちなため、ドライマウス(口のなかが常に乾燥した状態)になりやすい・ドライマウスになると唾液の分泌量が減少し(唾液が持つ抗菌力が低下し)、虫歯や歯周病になりやすい・前歯が前に出ているため噛み合わせが悪くなり、食べ物をうまく噛み砕けない・スポーツや事故のときに、前歯が折れたり唇が切れたりしやすい・下顎を前にズラして噛むクセがつくため、顎の関節に負担がかかって顎関節症になりやすいなどが挙げられます。